発見 ++




 孫悟空との結婚は、チチにいろんな発見をもたらした。
まずはその驚くべき食欲。
結婚して初めて自分の手料理をふるまうことになったとき、今日は特別だから、と そうとうな量の食事をつくったはずなのだが、それは悟空によって10分ほどでペロリと 平らげられてしまった。
ものすごい食いっぷりに、ただただ驚くチチだったが、悟空がうまい!と料理を絶賛していたので 何も言わずニコニコと悟空を見つめていた。これほどうれしいことはなかった。
 だが…
「いや〜うまかった!おかわり!」
「えっ!まだ食べるのけ?! 」
「うん。まだ五分目ぐらいだしな。」
五分目…ということは まだ半分ではないか。さすがのチチも驚愕した。
「そ、そうだったんだべか…すまねぇだ悟空さ。今日は食材全部つかっちまっただよ…。」
申し訳なさそうにチチが言うと 悟空もそっか〜と少し残念そうに納得した。
「今度からもっとたくさん作るようにするかんなっ!」
「おうっ頼むぞっ!おめぇの飯本当に上手くて、オラ気に入っちまったよ!」
その言葉に そ、そうけ?と顔を赤くするチチ。
「なぁなぁ、これ、オラ毎日食えんのか?」
「あったりめぇだべ!おらが何のためにここまで料理の腕をあげたと思ってんだ!」
料理の腕は誰にもまけねぇべっ!と胸をはってみるチチ。
「そっか。ヘヘヘっ。」
無邪気な顔で笑う悟空。


 「オラ、おめぇと結婚できてよかったな。」
「えっ!?」
突然のことにビックリする。悟空さからそんな言葉が出てくるなんて。思わず顔を赤くするチチ。
「な、なんだべ悟空さ。いきなり…。」
「いやー、だっておめぇと結婚したから毎日こんなうめぇ飯食えんだろ?」
それを聞いてガクリと肩がおちる。…まぁ確かにそうなのだが。
「これが"幸せ"ってやつなのかな。」
ピクリ。とその言葉にチチが反応した。
「…なぁ 悟空さ。」
「ん?」
「…悟空さ、今 "幸せ"?」
「あぁ。すごく"幸せ"だと思う。」
またもや無邪気な笑顔で答える悟空。
もうっ、悟空さってば"幸せ"って意味わかってんのけ?と笑いながら問うと 口を膨らませて、なんだよ〜知ってるよ〜。と答えが返ってくる。
でもまさか、夫からそんな言葉が出てくるとは思わなかった。
料理が美味いというだけで、"幸せ"という単語を使ったことに 少し心残りではあるが…
「…ま、いっか。」
クスッとチチは小さく笑った。いつのまにか悟空さの口癖がうつったんだべな。 それで悟空さが"幸せ"だと感じるなら、おらはそれでいいだよ。
...悟空さの"幸せ"が おらの一番の"幸せ"だかんな。


小さいけど 悟空さの幸せ 見つけたっ。




<fin>








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