kiss ++
「なぁ… 悟空さ。」
「ん?」
「キス… してもいい??」
「い…いいけど…。」
少し戸惑う彼の唇に いつものように自分からキスを落とす。夫婦なのだから当たり前の行為。
でもそれでおしまい。彼は少し照れたように頭をかき おらは満足そうに彼の肩にうっかかる
高望みは しない
こうやって キスをしても 彼は優しく微笑んでくれる。
拒絶したり 突き放したり されない事が
どれだけ幸せなことか おらは知っている
もう 思い出して胸を締め付けることはない
自分のもどかしさに 涙を流すこともない
あの辛い生活は 思い出したくもないけれど
今 彼はすぐ隣にいる
手を伸ばせば 触れられる位置にいる
何年間もずっと 夢みていたことが 現実となって存在する
これが どれだけ幸せなことか
どれだけ 望んでいたことか
これ以上は 何も望まないから どうか
どうか 彼がおらから離れていきませんように
思い続けるだけは もう嫌だ
<fin>
●初めはチチも こんな気持ちだったに違いない。