題名のない駄文たち 2 ++







暗闇の中
一筋の光の中に
あの人が見えた


夢中で走ったけれど 側にたどり着くことはできず 辺りは闇に吸い込まれる


再び暗闇に戻ってため息を付いたら
…またあの人が現れた


夢だと知らず 現れたり消えたりするその存在をひたすら求めた。


背を向けて逃げようとしても
手を精一杯伸ばして追いつこうとしても
其れは常に自分との距離を一定に保ちつづける


近づくことも 離れることも 許されない


其れはまさしく 自分を照り付ける太陽のように


待っても待っても来ないくせに
どうしてそうやって おらを苦しめるんだべ?


もてあそばれるその心


忘れることも 否定することも
―きっと許されない


そうやって想いは募る一方なのに…


「…おらは 太陽に恋をしちゃったのかな…」


だとしたら それは一生叶わない


其れは 諦めることも 絶望することも許さない
なんて自分勝手な太陽だと 笑いながら呟いた
其れに自分は恋をした





想うことは許されて


忘れることは許されない







《写日記より》








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